Sun, 29 Apr 2012
スペインの作曲家強化月間みたいな ー Ricard Lamote de Grignon
Ricard Lamote de Grignon(1899生1962没)はバルセロナ出身のクラシックの作曲家。最近はスペインの作曲家のものを漁っていて、その流れで買ってきました。 全て、iTunes Storeでの購入です。小規模合奏の曲、歌曲、室内オーケストラの曲と、けっこう揃うもんです。
- Lamote de Grignon: Six Unpleasant Pieces for 10 Soloists - Barcino Ensemble & Adolf Pla
- Cancons - Joan Lamote de Grignon & Ricard Lamote de Grignon - Joan and Manel Cabero
- Grignon: Quatre Petites Pastorals, Nana, Tres Peces Breus - Toldrà: Les Danses de Vilanova, Et Al. - Orquestra de Cambra Terrassa 48, Adolf Pla & Quim Térmens
特に、二枚目はリカルド・ラモーテ・デ・グリニョンと、さらに父親Joan Lamote de Grignon(ファン・ラモーテ・デ・グリニョン)(1872生1949没)の曲が入っていて、とってもお得。あ、読みはウィキペディアから拾ったので、ホントかどうか保証しないです。
…前衛的な音なんてひとつもしない。とても旋律豊かで穏やかな曲ばかり。聴きはじめてすぐ、エルガーやヴォーン・ウィリアムスといった辺りを連想した。
Mon, 14 Jul 2008
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラという楽器そのに
Violoncello da spallaは、バッハ・コレギウム・ジャパンのカンタータ全集36巻から登場しているそうです。今回は39巻を買ってきました。でわさっそく…
バッハ カンタータ全集#39 バッハ・コレギウム・ジャパン |
編成表を見ると、弦パートは上から3x3x2x1x1と、極小の構成。Basso Continuoとは別にVioloncello piccoloのパートがあり、そこにはVioloncello da spallaの奏者として、この楽器の復元者であるDmitry Badiarov氏の名が載っている。Violoncello piccoloのパートが載っていない曲もあり、むりくりVioloncello da spallaをおしこんだわけでもないみたい。通奏低音にはVioloncello(この場合は鈴木秀美氏が弾いているので縦型チェロ)、Violone、bassono、Cembalo、Organoの各楽器が入っている。トロンボーンやオーボエ、リコーダー、それに各パート三名づつとはいえ合唱が入るのであるから、バスをチェロとベース一人づつで支えられるはずもない。と、ここまでは良いのだけれど…
Violoncello da spallaは、向って左側から聴こえてくる。以前に聴いた、寺神戸亮氏のディスクにおいて解説されていたように、Violoncello da spallaはヴァイオリン奏者が持ち替えで弾くものとして考えられている(ヴァイオリンと同じく一指一音の運指なのであるから、当然そう考えられる)のでそれは良いのだけれど、この楽器の出番は各曲に一度あるきりなのである。バスパートは普通にチェロとかが弾き、やや技巧的なオブリガートを弾く場合にのみ、持ち替えが行なわれる。…弾かないでいる間はずっとtacetなの?ヴァイオリンを弾いているの?解説には何も触れられていない。不親切じゃのぅ。バッハの曲では、ブランデンブルク協奏曲第一番で、ヴァイオリンのトップ奏者がViolino piccolo(ヴァイオリンの三度上になる、ちょっと小さい楽器)に持ち替える場面があるけれど、そんな感じなのかな。
…演奏自体は、普通に良い演奏だとしか…こういう場合は、映像付きじゃないと面白みがないよねぇ。でもこの演奏を聴きながら、チェロの演奏技術の発達について色々考えることがありました。例えば、ハイドンの初期の弦楽四重奏曲において、チェロとヴィオラが分化していないケースがあります。まとめてバス声部だよ、みたいな。バス声部からヴィオラが分れチェロが分れ、やっと四声部が対等となるのは、かなり後になってからです。ひるがえって、バロック時代の合奏協奏曲において、チェロが独奏楽器として活躍する場面というのも多々あります(ヴィヴァルディの四季等を思い出してください)。
こういった曲のチェロ独奏のパートはVioloncello da spallaによって弾かれることも多かったのかな、とか想像すると、面白いです。バスとして合奏を支えるには力不足でも、独奏楽器としては不足どころか。トップ横のヴァイオリン奏者の足元にはVioloncello da spallaが立て掛けてあって、出番になるとやおらスパッラをエイとばかりに肩から下げて、ヴァイオリンを膝に置く暇もあらばこそ、弓は?弓は少し重いのに持ち替えないと楽器を鳴らせないのでは…うーん、ちょっとせわしない。でも楽しそう。
Thu, 03 Jul 2008
最近聴いているもの、邦楽変
てゆーか、洋楽はあまり聴きませんが。何か昔のアイドル系ばっかりですね…こういう音楽は、当時の記憶と強く結び付いていましてね…
ゴールデン・ベスト |
薬師丸ひろ子…中学校のころですか…テクニクスのコマーシャルとかもうね、それからね、セーラー服と機関銃の時はね、ヤクザの人に引っ張られてよろよろ歩き出すところとか機関銃を売つところとか演技も凄くてね。
Recollection~中森明菜スーパー・ベスト~ |
中森明菜…高校のころですか…生徒会室に遅くまでたむろってて、女の子が帰るのを嫌がると、帰りたくーなーひ、側に居たひーの
とかはやしたてたりとかね。
Myこれ!クション 斉藤由貴BEST |
斉藤由貴…今じゃ背脂が乗っていや貫禄が付いてしまって…いや当時からそういう部分はあったかな。
GOLDEN☆BEST/南野陽子 ナンノ・シングルス3+マイ・フェイバリット |
南野陽子…大学くらいですか…
聖飢魔II 入門教典~THE BEST OF THE WORST~ |
あの、デーモン閣下…今は吉本興業に在籍なさっておられるというのは本当なのでしょうか?いずれ、世を忍ぶ仮の姿なのでしょうが、少し…いえ、何でもありません。
アイドル以外は、今度書く。
Sun, 15 Jun 2008
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラという楽器
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラというのは、音域はチェロと同一、指使いはヴァイオリン等と同一、という復元楽器である。…ユニーク。
無伴奏チェロ組曲 寺神戸亮 |
…寺神戸亮氏のディスクに付属のリーフレットに掲載されている写真から、サイズは、ヴィオラよりもかなり大きい。構えると、緒止め(楽器の最下部)が右肩のあたりにくる。厚さもヴァイオリンやヴィオラというより、チェロのそれ。裏側の写真がないので詳細は分らないが、楽器は緒止めと、おそらくネックの根本あたりを繋ぐショルダーベルトを用いて保持する。ゲテモノという訳では無く、文献や楽譜等から導き出された、まっとうなものである。…いかにも肩が凝りそうだし、ベルトで下げただけの楽器では安定しなさそうなので左手のポジション移動が難しそうだし、弓の角度がキツくて弾きにくそうであるけれども。
でもまず、このサイズで、ヴィオラの1オクターブ下であるチェロと同一の音域をカバーできるのかな、とも思うのだけれど…ディスクで聴く限り、正しくチェロである。鼻にかかったような高音部、ダブっとした感じの低音部、といった、チェロとは異る部分もあるのだけれど…この感じ…ヴィオラか…ヴィオラのC線の鳴り方に近い。音域から計算される、必要な弦長を確保できていないのだろう。
寺神戸亮氏がリーフレットに書いているように、これはヴァイオリニストやヴィオリストにとってある意味、夢の楽器である。チェロの楽譜をチェロの音域で、ヴァイオリンの運指で弾くことができるからである。ヴィオラではダメなのだ。ヴィオラは運指はヴァイオリンと同一だけれど、音域がチェロの1オクターブ上になってしまうから、全然違った響きになってしまうから。またこの楽器は、無伴奏チェロ組曲を弾くにあたって非常に適した楽器である。チェロの運指では当時の技術では演奏不可能かそれに近い楽譜が、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを使うことによって(ヴァイオリンの運指で弾くことによって)無理なく演奏できるようになるのだ。いやこれは受け売りじゃないて、自分もヴィオラでこの曲をさらったことがあるけれど、第一番あたりならそれほど難しくもなくてというか簡単でとか言ったら、チェロ奏者からざけんなとか、んだとゴルァとか怒られたことがありましてね…
そうした演奏者的興味を差し引いても、このディスクは面白い。テンポ感とか、たくさんの装飾音符を伴って即興的に弾かれているところとか。ここらへんもたぶん、チェロではやりたくても不可能なんだろうな、とか思ったり。
参考
以下は、アサマシリンクで、バッハの無伴奏チェロ組曲のお勧めディスクです。一番情報量が多い、というか他の奏者は何をしているんだ、というのがビルスマ盤。鈴木秀美盤は、情報量はビルスマのものより若干少ないがチェロの音色的魅力が大、レオンハルトのものはチェンバロによる演奏で、楽器なんて飾りです的な。…今井信子のヴィオラによる演奏は勧めません。聴いていて寂しくなる(ヴィオラ奏者的な意味で)ので。
無伴奏チェロ組曲 アンナー・ビルスマ |
無伴奏チェロ組曲 鈴木秀美 |
ソナタとパルティータ集 グスタフ・レオンハルト |
Sun, 30 Sep 2007
歌詞がちゃんと聞き取れる日本語の歌唱
大体において、どれもこれも何語で歌ってんだか分らん訳だ。母音が曖昧だったり妙に巻き舌だったり棒読みだったり。
- か(ぁ|ぉ)ら(ぁ|ぉ)た(ぁ|ぉ)ち(ぃ|ぇ)の(ぅ|ぉ)は(ぁ|ぉ)な(ぁ|ぉ)が(ぁ|ぉ)さ(ぁ|ぉ)い(ぃ|ぇ)た(ぁ|ぉ)よ(ぅ|ぉ)
- くぁるぁたぁちぃぬぉはぬぁぐぁさぅいたぁぅよぅぉ
- カーラーターチーノハーナーガサーイーターヨー
北原白秋作詞、山田耕筰作曲のからたちの花を使っていくつか例を挙げてみたけれど、まあどれもこんな感じで、日本語だってことは分るけれど歌詞がまったく聞き取れない。小学校の頃、音楽の時間に聴いたものは正にこんな感じのしろもので、正直笑っちゃうような、滑稽な。大人になった今聴いても、山田耕筰の旋律は損なわれないにしても、北原白秋の歌詞は台無しであると感じる。こんなの日本語じゃ無ぇ。お前ら、シューマンやフォーレの歌曲を批評するのにドイツ語の発音が悪いのアクセントが変だのもっとツバをとばすようにペッペッペッてやれよとか、フランス語の話すように歌う歌い方が大事だとか鼻濁音がとか言うくせに、母国語の歌唱についてはこんなのを許し続けているのか。
藍川由美 山田耕作作品集 |
藍川由美は、こうした日本語歌唱の問題に取り組んでいる方です。実際に聴いてみるまでは半信半疑だったけれど、うん、これはちゃんと日本語に聞こえる、歌詞を聞き取れる。思わず吹き出しちゃったりしない。笑いがこみあげてきたりしない。素直に楽曲に向きあうことができる。正直なところ、最初にこの録音を聴いたときは、あんまり美しいので、少し涙が滲んだ。